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第3章 保留にして
気が付いた時には、保健室で横になっていた。
「いつの間に……」
起き上がると、誰かの手が私の腕を掴んだ。
「無理しないで。休んでいた方がいいよ。」
横を見ると、太田君だった。
「太田君……」
「弓弦でいいよ。」
「……弓弦君、ずっと側にいてくれたの?」
「うん。」
まるで私の側にいる事が、嬉しいと言う表情。
好きってそんなもん。
私の時だって、そうだった。
「もしかして、藤井の方がよかった?」
表情が固まった。
まさかそんな事、顔に出せない。
だって、弓弦君は正々堂々と勝負して、琉斗に勝ったんだから。
「いいんだ。無理しなくて。」
弓弦君は、表情を歪ませた。
「西村さんが、藤井を好きな事は、知ってるんだ。」
私は、目を大きく開けた。
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