第3章 保留にして

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なんでそこまで知ってて、琉斗と勝負したの? 普通、見守るとかするでしょう。 「最初は、二人を見守ろうとしたよ。俺の出番じゃないって、自分に言い聞かせて。でも、二人共一向にくっ付こうとしないじゃないか。それなら俺にも、チャンスがあるんじゃないかって、思って。」 琉斗とくっつかなかったのは、私の甘えだ。 別に付き合わなくても、ずっと一緒にいられると思っていた。 でも、こんな事ってあるんだね。 「そうだ。着替え、持ってきたよ。」 見ると、弓弦君の側に私の制服が入ったカバンが置いてあった。 気が付くと、自分はまだ水着のままだ。 私は途端に、恥ずかしくなった。 「誰がここまで、連れてきたの?」 「俺だけど……大丈夫だよ。タオルをかけて抱えて来たから。」
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