51人が本棚に入れています
本棚に追加
抱えてきた?
私を保健室まで?
ああ、気を失っていてよかった。
「重くなかった?」
「重くなんかないよ。逆に軽くて、ご飯ちゃんと食べてるのかと思った。」
優しい弓弦君。
今、となりにいるのは、弓弦君で琉斗じゃない。
勝った方が、私のとなりにいられる。
あの勝負は、本当だったんだ。
「着替えるね、私。」
「ああ、うん。」
白いカーテンで、ベッドを囲んで、その中で制服に着替えた。
眩しい日差しが、私の姿を白いカーテンに映し出している。
弓弦君に、見られたらどうしよう。
白いカーテン一枚が、余計に恥ずかしさを強調した。
「終わったよ。」
白いカーテンを開けたら、弓弦君は背中を向けていた。
見ないように、してくれていたのだ。
この人は、私を本当に好きなのだ。
最初のコメントを投稿しよう!