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第4章 琉斗じゃなきゃ
次の日。
昇降口で会った琉斗は、どこか余所余所しかった。
「おはよう。」
「おはよ。」
大きな欠伸をして、スーッと私の前からいなくなった。
それがとてもつもなく嫌で、振り返った。
「琉斗。」
「なに?」
素っ気ない返事。
まるで幼馴染みだから、仕方なく返事をしているような、そんな印象を受けた。
「もう、となりにはいられないの?」
黙って、私を見る琉斗。
「……止めろって。」
「琉斗!」
「太田が見ていたら、誤解するだろ。」
そう言って琉斗は行ってしまった。
私はもう、弓弦君としか仲良くしちゃいけないの?
琉斗と一緒にいたら、ダメなの?
自然に涙が零れた。
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