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その後の授業は、全く身に入らなかった。
いつもとなりにいる琉斗が、もうとなりにいない。
私は茫然として、窓の空を見上げるしかなかった。
そして休み時間。
私は何気に、琉斗と和音が話しているのを見た。
ドキッとした。
今までそんな事なかったのに。
楽しそうに、二人は笑っている。
嫌だ。
琉斗が、私以外の女の子と、楽しそうに笑っているなんて、そんなの嫌だ。
「あっ、ひなり。」
なのに和音は、あっさりと私に声を掛けてきた。
「ねえ、ひなり。琉斗君がさぁ。」
「知ってるよ。」
冷たく言い放った。
「琉斗とは、幼い時から一緒にいたんだから、和音よりも琉斗の事、知ってる。」
言い過ぎたと思ったけれど、後の祭りだった。
「そう……そうだよね。」
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