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和音はそう言って、私達の前から離れて行った。
「なんで、あんな事言った?」
琉斗が私に詰め寄った。
「だって、私よりも琉斗の事、知ってるみたいに言うから。」
「そんな事言ってない。ただ、俺との会話を、おまえに教えたかっただけだろう。」
私は手をぎゅっと握った。
分かっている。
私の一人よがりだって言う事。
「そんな事……」
勝手に涙が溢れた。
「分かってるよ。でも、琉斗が他の女の子と話すから。」
「俺が誰と話そうと、俺の勝手だろ?」
私と琉斗は、目を合わせた。
今までの琉斗だったら、そんな事言わなかった。
『ごめん、悪かった。』
って、微笑みながら謝ってくれたのに。
もう、そんな事すらできないの?
後から後から、涙が零れて来た。
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