第4章 琉斗じゃなきゃ

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「何しようとした?」 琉斗が、興奮して話す。 「何をって、キスしようとしただけだよ。」 その瞬間、琉斗は弓弦君を殴っていた。 「おい、待てよ!」 教室から男子生徒が出てきて、琉斗を止める。 「太田!おまえは、ひなりが嫌がる事をしない奴だと思ってたよ!」 琉斗が叫ぶ。 「ひなりさんを好きなんだ!キスしたいと思うのは、当然だろ!」 「おまえな!」 止めるのを聞かず、弓弦君に飛び掛かろうとする琉斗を、私は抱きかかえた。 「止めて。私が悪いの。」 「ひなり……」 「私がはっきりしないから。となりにいるのも、キスするのも、琉斗じゃなきゃダメなの!」 琉斗はみんなの前で、私の事を抱きしめてくれた。 「太田。もう一度、俺と勝負してくれ。」 琉斗は、低い声で言った。
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