第5章 勝負の行方

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そして、ゴールの瞬間。 先生は、琉斗の方に手を挙げた。 これには、クラス中が騒いだ。 「きゃー、カッコいい!藤井君。」 「太田君も、カッコいいよ。」 私は、溢れそうになる涙を拭いて、琉斗のところへ行った。 「琉斗。」 「ひなり。」 どちらからともなく、私達は抱きしめ合った。 周りから、きゃああと言う声が聞こえた。 「琉斗。黙っててごめんね。私、琉斗の事が好き。」 「俺もだ、ひなり。ひなりの側は、誰にも譲らない。ひなりは、俺のモノだ。」 その言葉を聞いて、私は微笑んだ。 「人を物みたいに、言うな。」 私は、琉斗の額を、コツっと叩いた。 「痛いよ、ひなり。」 そう言って私達は、笑い合った。
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