第1章 対決

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そんな関係を、どう説明したらいいのか。 「付き合っていないけれど、お互いが好き同士」だとでも、言えばいいのか。 「今、他に付き合っている人、いる?」 「いない。」 「だったら、俺と付き合ってくれないか?」 大胆だと思った。 自習中に、しかもプールで告白するなんて。 一歩間違えれば、冗談とも受け取れる。 「ごめん。今は誰とも、付き合えない。」 そう答えて、プールを出ようとした時だ。 「藤井に勝てば、付き合ってくれるか?」 私は、ゆっくりと振り向いた。 「本気?」 「本気だよ。」 そう言って太田君は、琉斗の方に泳いで行った。 太田君が、琉斗に何かを説明している。 それを聞いて、琉斗が私を見た。 ドキンと胸が鳴った。 「いいよ。」 そんな琉斗の声が聞こえてきた。
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