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どうやら、水泳で競うらしい。
和音が、私の側に寄って来た。
「ひなりは、知っているの?」
「何を?」
「弓弦君と琉斗君、勝った方がひなりと付き合うみたいよ。」
「えっ!!」
私はプールを出ると、二人の元へ行った。
「何、二人で勝手に決めてるの?」
怒った私に、二人は動じない。
「黙ってろ。」
「ああ、これは男の勝負だ。」
琉斗も太田君も、やる気満々だった。
「私の気持ちは、どうなるの?」
二人は、私の方を向いた。
「もちろん、絶対付き合うって事じゃない。」
「いわゆる、どっちが西村さんの隣にいられるかだ。」
その時、調子に乗ったクラスメイトが、口笛でホイッスルを鳴らした。
こうして私の運命は、勝手に二人の勝負の行方に、委ねられたのだった。
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