第2章 これが最後

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判定を見ていたクラスメイトは、太田君の方に手を挙げた。 「えっ……」 ゴール付近では、皆太田君の勝利ににぎわっている。 太田君は、まず琉斗に握手を求めたけれど、琉斗はそれを拒否した。 そしてただ一人、誰もいないプールサイドへ、歩いて行く。 私はそれに合わせて、琉斗に近づいた。 「琉斗。」 「なんだよ。」 「どうして負けたの?」 タッチの差で負けるなんて、琉斗は本当は私の事、好きじゃないんだ。 「……ごめん。」 「もう少し早くゴールしてたら、琉斗が勝ったのに。」 「……ごめん。」 「本当は、乗り気じゃなかったんでしょう。」 「そうじゃないけど……ごめん。」 何を聞いても、ごめんしか答えない琉斗に、腹が立った。
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