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この話は「北関東幽霊ゾーン」の取材時に、体験者のOさんが案内してくれたスポットで、偶然に起こった出来事である。
先のエピソードと並行して読んで戴ければ幸いに思う。
「心霊談」というよりは「霊験談」に近いので、実名を出しても差し支えないだろう。
毎日怪現象が起こるという家に住むOさんは、異談蒐集人の私を自宅に招待したものの、その晩に限って何も起こらなかった。
彼はそんな場合を想定していて、遠路はるばるやって来る私の為に、もうひとつのプランを脳裏に描いていた。それは配送業を生業としている彼自身がかつて訪れた心霊スポットや、配送先で耳にした噂のある場所に案内するという事だった。
自分としては、彼の住んでいる地域の実地調査をもう少し行いたかったが、初対面でもあったOさんの気持ちを立てるつもりで、この時は好意に甘える事にした。
F地区の調査に関しては、また次回があるだろう。知らない場所の噂巡りもまた悪くないと考えた訳である。
実際のところ、Oさんの案内してくれたスポットは非常にバリェーションに富んでいた。
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