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「もう、逢えない」
貴方に逢うのは、怖い。
『…… 迎えに行く』
「逢いたくない」
きっとその声がさよならを告げる。
『俺は逢いたい』
「…… 悠馬さんと一緒なの」
もう、逢えない。抱き締められてキスをした。貴方と同じ顔、同じ声がわたしを包み込んだ。
『悠馬と?』
「ん――」
頷いた途端、電話が途切れた。悠の方から切断したのだと思った。
「電話、終わった?」
悠馬さんの顔を見たら、抑え込んだ想いが溢れ出した。
悠に逢いたい。
「悠馬さん、わたし」
逢いに行きたい。やっぱり悠に逢いたい。
「ごめんなさい……っ」
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