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先に、その目から反らしてしまったのはわたし。
「莉緒?」
ごめんね、悠。
貴方を責める資格なんて本当は無いの。
「……ったく」
わかるくらいおっきな溜息がした。
え? って、もう一度顔を上げたら、顎をさらに悠の指が下から持ち上げる。
強情に閉じた唇を、悠の唇が奪ってゆく。
「迷うなよ、何も。あいつのことも」
「でも……」
言いかけたわたしの口をまた唇が塞ぐ。あんまり長いキスに息が苦しい。
「俺は―― 」
悠の腕がわたしの背を抱き抱えて倒れ込む。避けられないほどたくさんのキスに、浅く息を吐く。
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