躊躇いの行方

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「莉緒、泣かないで」 悠が肌にふれて行く度に、刹那さが込み上げる。  ――んっ… 「逢いたくて仕方が無かった」 ――指が繊細に熱い中心を見つけてくる。 「悠、だめ…っ」 どうして涙が出るんだろう。 「莉緒に逢いたかった」   力が抜けて思考が止まる。悠の声が聴こえてくる度に、身体が仰け反りかえる。 「声聞かせて」   ――反則な優しい指が荒くなる。もうなにも、考えられない。  「悠っ…」 悠の背にしがみつくことしかできない。
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