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「悠の言ってること、わかんない」
涙がこぼれ落ちる。
「悠が好きだもの……っ」
わたしが滅茶苦茶言ってるんだ。
悠のおっきな手が頭を撫でる。さっきよりもずっとあたたかい、優しい手の平。
「ごめんな――」
立ち上がる悠を、引き留められない。
ただ、大人の男の人に憧れた。横顔にときめいて、見てるだけでドキドキした。
それだけで始まった恋。
「行こう、莉緒」
悠がわたしの手を引っ張り上げる。
「どこへ?」
「悠馬のいるとこくらい、わかる」
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