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「これってさ」
ん、なあに。何かを思い付いた様な表情?
すごく素直な笑顔が暗闇の中を明るくする。おでこがぶつかるくらい顔を寄せ合う。
「好き? って、こと?」
ひとつずつ確かめるみたいに聞く悠馬さん。わかって無かったんだ。そう思ったら、吹き出してた。
「教えない」
「なんだよ、それ」
おでこを寄せ合って、笑いあって見詰め合った。
抱き締めた腕が強くなる。
細くて長い指が唇をなぞる。
「……キスしたい」
許される――? 迷路の中にいたわたし。
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