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「覚えてる?」
捲し上げたスカートの中へ、入っていく指先。
「震えてた、莉緒」
え――?
「初めてキスした日」
忘れっこない。わたしがしがみついて、引き寄せた。
「……あ…っ」
悠馬さんの指がふれた感覚に、足が揺れる。
だめ、立っていられなくなる。悠馬さんの両腕に掴まって顔を見つめる。
「可愛い、莉緒」
耳元にささやく声はもう媚薬だ――
「悠馬さん、此処……外っ」
「全部、俺の――」
愛しい人の指がふれる感覚が、これほどに心を満たすことなんて、知らなかった。
もっと声を聴かせて。
貴方を愛してる。
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