第4章

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ほどなく私はジムに退会届を出した。トレーニングは続けたかったが、時間的に忙しくなったのと身勝手だがBさんにあまり会いたくなかったのが理由だ。 デートしていた人達のリストもラインから消去した。 高崎さん… この人だけには挨拶して離れたい。 ラインで通話して良いか聞くとすぐに向こうからかかってきた。 「めいちゃん、ひさしぶり」 「ひさしぶりですね。…実は彼氏ができて…ですね。」 「ああっ!そうなの?おめでとう。」 明るい声で少し安心する。 「なのでもうご飯は一緒に行けないと思うのです。ごめんなさい。」 「いいよ。気にしないで。……めいちゃんの次の彼ってどんな人?優しい?」 「優しくはないかもだけど…結構ハマってます。」 「Sでしょ?」 「っ!!!なんでわかるの?」 「わかるよ。めいちゃんは顔に自分はMですって書いてあるようなもんよ。気づいてなかった?」 「っ!!!そんな。」 「できれば僕がめいちゃんを育てたかった。」 「っ!!!え?育てる?」 「うん…まぁ知らなくてもいい話だけど、今までめいちゃんに教えてたことは本来なら『奴隷調教』と同時にやる『教育』だったんだよ。」 「…調教…教育」 「今はちょうどいなかったから、めいちゃんをと思ったこともあったけど、さすがに仕事関係の子はまずいかなと思って言わなかったけどね。」 「…知らなかった。」 いや、本当はなんとなく分かっていた。知るのが怖かっただけだと思う。 その後たわいない話をして高崎さんは最後に言った。 「幸せになりなね。」 お礼を言って通話を切った。
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