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ほどなく私はジムに退会届を出した。トレーニングは続けたかったが、時間的に忙しくなったのと身勝手だがBさんにあまり会いたくなかったのが理由だ。
デートしていた人達のリストもラインから消去した。
高崎さん…
この人だけには挨拶して離れたい。
ラインで通話して良いか聞くとすぐに向こうからかかってきた。
「めいちゃん、ひさしぶり」
「ひさしぶりですね。…実は彼氏ができて…ですね。」
「ああっ!そうなの?おめでとう。」
明るい声で少し安心する。
「なのでもうご飯は一緒に行けないと思うのです。ごめんなさい。」
「いいよ。気にしないで。……めいちゃんの次の彼ってどんな人?優しい?」
「優しくはないかもだけど…結構ハマってます。」
「Sでしょ?」
「っ!!!なんでわかるの?」
「わかるよ。めいちゃんは顔に自分はMですって書いてあるようなもんよ。気づいてなかった?」
「っ!!!そんな。」
「できれば僕がめいちゃんを育てたかった。」
「っ!!!え?育てる?」
「うん…まぁ知らなくてもいい話だけど、今までめいちゃんに教えてたことは本来なら『奴隷調教』と同時にやる『教育』だったんだよ。」
「…調教…教育」
「今はちょうどいなかったから、めいちゃんをと思ったこともあったけど、さすがに仕事関係の子はまずいかなと思って言わなかったけどね。」
「…知らなかった。」
いや、本当はなんとなく分かっていた。知るのが怖かっただけだと思う。
その後たわいない話をして高崎さんは最後に言った。
「幸せになりなね。」
お礼を言って通話を切った。
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