第4章

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2週間後の日曜日、私は西村さんの住む隣の市にいた。 仕事の研修があり終わったらデートする予定になっていたのだ。待ち合わせの時間がかれこれ30分以上過ぎている。 ラインで連絡を取ったが既読スルーになってしまう。 どうしたんだろう…。 1時間過ぎたところで電話をする。 何度かかけた所でやっと彼が出た。 「なに?」 「なにって…今日デートの約束だったよね。」 「…」 「どうしたの?具合悪いとか?」 「べつに…。」 「ん?とにかく今からでもいいから会いたいな。」 「俺は会いたくない。あっても優しくできないと思う。」 「…?何かあったの?」 「君の友達の亜子ちゃん、俺のインスタのコメ欄に『めいを不幸にしたら許さない』って書いてきたよ。」 ほわっ? 亜子は私のインスタのアカウントから辿っていったに違いない。 でもいくら友達だからって普通インスタにそんな事書く? 彼が怒って当たり前だ。 「ごめんなさい。本当にごめんなさい。代わりにあやまるよ。亜子には私からちゃんと言うから、これから会えない?」 西村さんはしばらく考えてから言った。 「今日の食事代を出してくれるんだったら会うよ。」
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