第5章

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京都から帰ってきた次の日、西村さんから電話がきた。今更どの面下げて連絡してこれるのか。もう呆れるしかない。 なるべく素っ気ない声で電話に出た。 「もしもし、なにか用ですか?」 「久しぶりだね、京都行ったんだねー」 インスタにupした写真を見たらしい。 だけど何?この脳天気な言い方は…。 「俺にお土産買ってきた?」 はぁ??? 京都行くまで完全に連絡絶って、既読スルーしてたのに謝るどころかお土産は?だとぉ!!! なんなの?この人、馬鹿なの? 怒りに震える気持ちを抑えてなるべく冷静に言った。 「なぜ連絡しなかったんですか?」 「…仕事忙しかったんだよ。」 聞くだけ無駄だ。 「そうですか。わかりました。私、西村さんとこれ以上は付き合えません。もう連絡してこないでください。」 それだけ言うと通話を切った。 すぐに西村さんの着信が入る。 電話に出てもう一度念押ししようかとも思ったが、はっきり態度で示した方がいいだろう。 『着信拒否』と書いてある画面をピッと押した。 これで西村さんとは終わり。 もうあんな振り回される恋愛はしたくない。
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