第5章

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私、頑張った。西村さんに負けなかった。 私が突き放したところで西村さんには他の女の子達がいるのだ。 今夜はそのまま誰かの所へ行ってしまえばいい。 もう、私は二度と関わらない。 安堵と一抹の寂しさ…。ううん、これで良いのだ。 さ、ゲームの続きをしよう。 日曜日は美容院に行ったり買い物したりで時間を過ごした。 月曜日からはいつも通り仕事に行き、いつも通り普通に生活していた。 火曜日もいつも通り仕事に行き、いつも通り普通に生活していた。 水曜日もいつも通り仕事に行き、いつも通り普通に生活をしていた…ハズだった。 仕事をしながら頭の片隅で考えていた。 「私ラインもインスタもブロックしていた…。会える可能性の方が低いのがわかってて高速でわざわざ会いに来たって事だよな…。」 帰る時どんな気持ちだったんだろう…。 不意に涙が溢れた。止まらなくなった。 ヤバい、仕事中だ。 幸い、患者さんはそれほど入っていない時間帯だったので偏頭痛がするからとスタッフの控え室で休ませてもらうことにした。 控え室に来ても涙がどんどん出てきた。自分の感情がセーブ出来ない。 もう、ダメだ。 ロッカーからスマホを取り出し西村さんの番号を押していた。 プルプルと着信音が鳴るか鳴らないかの速さで西村さんが出た。 ひっくひっく泣きながら話す。 「わ、わたし…やっぱり西村さんがいい。西村さん…居ないとダメ。たくさん…ご…ごめんなさい。」 西村さんはいつも通りに優しく言った。 「うん、わかったよ。許してあげる。今度はちゃんと鍵開けなきゃだめだよ。」 「うん、わかった。許してくれてありがとう。」 遠くで( ΦωΦ )←こいつが「調教完了だね」って言ったのが聞こえてきた。 調 教 完 了 次の日に西村さんはアパートに来た。
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