第1章 伝令と違和

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僕について?ほんとうに、特に語れる「僕」でもないのだが。 男、40代前半、小学生の子がひとり。システム関連会社の事務系社員。AIに真っ先に乗っ取られそうなポジションで、意外に(今のところは)乗っ取られていない。肩書きは管理職じゃないが、実質管理職の仕事をこなす羽目になっている。 仕事や家庭以外の属性としては、ある老舗ブログサイトにページを持ち、日記や身辺雑記を数年来書き続け、一定の読者を得、「自分的には普通の日々。」というカテゴリで閲覧上位のポジションにいる。それは僕の日々の中でのひそやかな生きがいだったりする(そんなことはもちろん、家族にも職場関係の人にも内緒にしているけれど)。 たまにオフ会に参加し、親しくなった何人かとグループLINEで話していたりもする。 3日前。僕は日記にこんなことを書き、サイトに投稿した。 タイトル:漢字の「令」を見て、ぱっと頭に浮かぶ言葉は。 一ヶ月前のあの発表直後、NHKのアナウンサーが連呼した通り、 「『命令』の『令』」 そのイメージは、いつまでも変わらずに、僕の中で固着し続ける気がする。 茶味くん、フリオニール、えぐっさん(注:これは、件のブログのコミュニティーの、僕と交流のある常連たちのハンドルネームだ)と話してても、3人とも似たイメージ持ってるかな?という印象でいる。 なんだけど、昼にネットニュースを見たら、こんな記事があって。 「新元号に好感、8割越えに・・・本紙世論調査 新元号の「令和」に「好感を持っている」と答えた人は81%と、「なじみにくい・違和感を覚える」の14%を上回った。 発表直後の前回調査時点では、「好感」63%、「なじみにくい」35%で、発表約2ヶ月、施行約1ヶ月で、新元号が国民に広く浸透し、好感を持って受け止められていることが明らかになった。」 ふうん・・・どうなの?本当にこんな感じなんでしょうかね?(^◇^;) 僕の属するコミュニティーの基本姿勢は、「人それぞれいろんな考えあるよね」というもの。 この日記にも、交流のある方々それぞれから、多様なコメントが寄せられた。僕の日記に同意を示してくれる方もいれば、令和全然いいじゃない、私は違和感ないなぁというコメントも多くあった。 僕はそれで全く構わなかった。だが、ある読者のコメントを読んで、私は戦慄を覚えた。
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