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―休日、frees社内―
オレと蓮は三樹に連れられ、freesのオフィスに来ていた。というよりかは三樹の父さんに呼ばれたって方が正確だったかも。
とにかくなんで呼ばれたのかはだいたい察しがついてた。
「先日はうちの娘からの依頼に応えてくれたこと、本当に感謝するよ。ありがとう、二人とも。」
「いえ、オレは…」
「敵を逃がしたことは確かに惜しいかもしれん。それ以上に、敵の素顔を垣間見ることができただけまだいい戦果だったさ。」
「…ありがとうございます。それで、メールに書いてあった“アップデート”って?」
そう、三樹の父は新太と蓮、そして三樹の三人のライブギアを更新して機能改善するために三人を集めたのだった。
「三人のライブギアをアップデートしている間は好きなところへ行くといい。終わり次第、メールに送ろう。」
「ありがとう、パパ!一ノ瀬くん、近くのショッピングモール行こ!」
新太は三樹に右手をとられ、そのまま引きずられるように本社オフィスを後にした。
当然蓮もそんな新太の身を案じて後を追うついでにショッピングモールに向かった。
―その後、臨海市大型ショッピングモール―
というわけでオレたち三人はライブギアのアップデートの時間潰しでここに来たわけだが、なぜかオレと蓮は三樹の服選びに付き合わされることになった。
オレはゲームコーナーで腕つるギリギリまでリズムゲームやりたかったのになぁ…しかもなんで女子の服選びに男であるオレらが付き合わされることになるわけ?
「ねぇ、一ノ瀬くん、これ似合うかな?」
三樹は白のワンピース姿をオレに見せてきた。蓮にも見せている感じだが、その蓮は近くの椅子で熟睡…自分だけ逃げやがって。
「似合うんじゃないか?三樹って結構元気な感じがするから、そういう色がすごく合ってると思う…」
「新太が似合うって言うなら…似合ってんじゃない?」
蓮は本音なのか寝言なのかは分からないが一応感想を述べた。
このあと三人はフードコートでラーメンを注文し、昼食をとった。
ちなみに新太はラーメンに入ってたチャーシューを二枚とも蓮と三樹に横取りされ、半ギレなこの気持ちを隠しつつ麺をすすった…
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