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「痛って~!何が起きたんだよ!マジの幽霊なのか!?」
「あれは幽霊じゃない、ARからのお客だよ。」
はい?AR?とにかく何かヤバイのは悟ったけど、オレの後ろで呟いたこの男の子も結構ヤバイよ!
すると、少年はヘッドホンマイクのようなものを装着し、公園に近づいた。新太もその後ろをこっそりと付いていった。
「ライブギア、スタート!」
少年がこう叫ぶと公園を中心にバリアのようなものが張られ、目の前に巨大なコブラのような化け物が現れた。
さらに、少年の服装もノーマルユニフォームと呼ばれるものになり、その手には赤と青の刀身の剣を握っていた。
さっき新太をぶった何かの正体…それは今ネットで少しずつ話題に上がってきているゲーム『ARライブズ!』のボスモンスターだった。
「オマエまさか、アレとやりあう気かよ!」
「当然だろ?まぁ、君は見ていたまえよ、ボクの華麗なる剣技を。」
「そんなことより、あそこで泣いてる女の子の方が心配だ!悪いけどオレはそっちに回るぜ!」
しかし、新太がその子のところに向かおうとしたとき、コブラは彼に目をつけ、そのまま彼の方に向かった。
「おいおい、ボクのターゲットはキミで、キミの相手もボクだろう?」
ズバッ
『ギュルフフフルルル』
「あのさ、オマエが頭につけてるそれ、オレにもくれないか?」
「どうしてだい?もしかしてキミはボクのターゲットを横取りする気かい?」
「そうじゃねぇよ!オレはあの子を守りたいんだよ!守るためにそのヘッドセットみたいなのをくれないか?」
「嫌だね、絶対渡さない。仮に二個持っててもそんな口を叩くような奴に渡すことはしないさ。ボクが早くアイツを倒せばいいだけの話だろ?それにこれはゲームなんだよ、熱くならないでくれよ。」
その言葉を聞いた新太は怒りのあまり、バトル中にも関わらず、少年の胸ぐらを掴んだ。
「ふざけんじゃねぇ!これ以上あの子に怖い思いをさせたくないんだよ、オレは!」
『ギュロフフフフフルル!!』
コブラは勢いよく回転しながら新太と少年を吹き飛ばした。そのはずみで少年のポケットからライブギアがもう一台落ちた。
「……オレだって、単にクレイジーなだけじゃないぜ!」
新太もライブギアを装着して、ノーマルユニフォーム姿になった。
~予告~次回〈ハロー、ニューフレンド!〉
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