不死の魔女

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私には旅の相棒ーー剣士のドレイクという男がいた。私の隣には、いつもドレイクがいた。共に戦い、語らい、時を過ごした。ドレイクも普通の人間だから、ドレイクの"時"は、私と同じ意味ではなかった。年老いて、やがて死を迎える。 それは今まで私が生きた千年にしても同じで、私はさまざまな剣士や戦士、あるいは他の魔法使いと出会ったが、決して彼らの隣に並ぶ事はしなかった。いつも後ろで彼らを見守っていた。それがいずれ迎える別れ、そして虚しさから逃れる、唯一の方法だったのだ。 しかしドレイクは違った。 「時間の流れが違うだとか、そんな事どうでも良いんだ。俺が生きてる間は、俺の隣にいてくれよ。そのほうが楽しい」 そう言った彼の笑顔に私は魅せられた。悲しくなる事が分かっていて、私は彼を愛してしまった。彼もそれを受け入れてくれた。私は初めて、普通の人間の隣に並んだ。 ああ、ドレイクは今どうしているんだろう。会食会には当然、ドレイクも一緒に来ていたのだ。 ごめんなさい。私が不死であったばっかりに。大切なあなたを巻き込んでしまった。どうか、どうか無事でいて。
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