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ふくふくとしたほっぺ。
むっちりした手足。
危なっかしい足取りでよたよた歩いていた幼児が、こてん、と転ける。
その子は直後はキョトンとした顔をしたものの、痛みを理解したのだろう。直ぐに、まだ生え揃わぬ歯を見せ、顔を真っ赤にして泣き叫んでいた。
ーリビングのテレビ画面の中で。
それが誰の映像かといえば、わたしの映像である。
人目だとか、外聞だとか、そんなものは関係ない。純度百パーセントの無邪気さと純粋さだけの幼ない頃の映像というものは、暗黒の厨ニ病時代とはまた違う意味で目を背けたい記録である。
まさか久々に帰省した実家で、実の両親からこんな羞恥プレイを強要されるとは思わなかった。引き止められるままリビングに残らず自分の部屋に行けばよかった。両親からしたら微笑ましい記録でも、娘からしてみれば正直恥ずかしい。こういうものは、わたしの知らないところで二人で楽しんで欲しいものである。
しかもー。
「わたし、ものすっごい落ち着きなくない?」
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