●大学生

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たまに見かける桜ちゃんは、 女の子とふたりの時もあれば 何人かでいる時もあった。 だけど、 その中に秋ちゃんの姿を 見ることはなかった。 一度だけ、 わがままを言う女の子を 置き去りにする桜ちゃんを見かけた。 何があったのかはよくわからないけど、 「うざ…」 「桜理ごめんね。もう言わないから」 「もう二度と俺の前に現れないで」 「ヤダ…ごめん…桜理ごめん…」 そう言ってしがみ付く女の子の手を 冷たい顔をして振りほどいた。 「もう無いわ…さよなら」 そう言って…。 冷たい目、冷たい表情が 脳裏に焼きつくほどに…。 優しい桜ちゃんが、 女の子に冷たい態度をとるなんて… 私には信じられなかった。
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