●出会い

7/9
前へ
/107ページ
次へ
それからは私と秋ちゃんの側には いつも桜ちゃんが居た。 「小夏ちゃーんこれあげる」 『えっ、ありがとー!!何ー?」 受け取って広げると 『!?パン…ツ??』 「そう。秋斗のパンツ!小夏ちゃんのために朝コッソリ盗んできた」 口もとを手で隠し小声で言う彼に、 後ろから バチーーン!! 秋ちゃんが丸めた雑誌で桜ちゃんを叩いた。 そして私が持ってたパンツを 急いで取り上げた。 「お前、マジで!!」 「小夏ちゃん喜ぶかなーと思って。もうすぐホワイトデーだし」 「お前もう二度とうち来んな」 「えーーん小夏ちゃん秋斗が怒るぅー」 結構本気で怒る秋ちゃんを横目に、 泣き真似をしながら手を広げて 私に抱きつこうとする桜ちゃんを、 秋ちゃんがフードを掴んで引き離す。 そんな二人のやりとりも、 そこに自分がいれることも… それが当たり前になってて… 毎日が本当に、本当に楽しかった。
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

88人が本棚に入れています
本棚に追加