鬼SEが最近、変 side 灯里

2/2
前へ
/42ページ
次へ
「高瀬さん、クライアントのこの要望何ですが、こんな感じで設計していいですかね?」 いつも『鬼SE』と呼んでたわたしが名字にさんづけして読むから、それに驚いてる高瀬さん。 高瀬さんは普段は、『新月』と名字で呼んでるけど、機嫌が悪い時とかにたまに『社畜女』と言ってるから、腹の底ではわたしの事を『社畜女』と呼んでたと思う。 でも、今は、たぶん『社畜女』扱いしてないと思う。 今、思うと高瀬さんとSEとPMで組んで仕事をするようになってからの2年半。 初めの1年は、仕事としてシステムやソフトウェアの設計、構築、プログラミングに慣れなくて、クライアントからの要望が理解できなくてよく高瀬さんに鬼のように怒られてた。 2年目からは毎日の熟す量が他のコンビの5倍はあるからか、パターン化させて思考できるようになり、高瀬さんに怒られなくななった。 でも、高瀬さんがわたしが熟せるからと無理な量の仕事を引き受けてくるようになったから別の意味で鬼だった。 高瀬さんのおかげで、わたしのシステムとソフトウェアの設計、構築、プログラミングの力は育った。 高瀬さんとクライアント先に出向くようになり、帰ってから分担して取り組んでて気づいた。 高瀬さん、鬼みたいにわたしにさせてたけど、高瀬さん自身もITスキルが高いと。 システムの設計と構築のセンスは、わたしは勝てない。 プログラミングのタイピングの速さは互角だと思う。 高瀬さんがパソコンの画面を見ながら、高速で、プログラミングしている姿を見て、思った。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

473人が本棚に入れています
本棚に追加