【運命】

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たしかに、俺は新入社員代表に選ばれたけれど、もう、社員だから使っていいよね、番システム。 大きな会社は努力した分、こういう所がいい。 アルファとオメガはいつ、番になるかわからないため、一般社員であるベータより一日入社が早い。 各自、自宅で待機の状態で入社式の概要が説明されて挑んだ今日。 確かに聞いた。 「君たちは今日から我が社の社員です」って。 だから、合同で行われる入社式である今日も、会社に出向いてないけど立派な会社員。 会社に報告して会話を終えた俺たちは、再び顔を見つめあった。 どうしよう...。 今日は、初めてアルファ枠とオメガ枠が出会うため、会社の方針で抑制剤をとるように言われている。 発情期は...来てないようだから理性は保てるけど、噂に聞いていた【運命】は、想像以上に、ヤバかった。 俺は目の前にいる【運命】を観察した。 一見、ベータかなと思ってしまう彼だけれど、俺からするとすべてが愛しいと思える。 ぷっくりとした唇なんて、見ただけでおいしそう。 おなじ空気を吸ってるんだって考えただけでも心が満たされる鼻元。 目元は飴玉みたいに、クルンとして長いまつ毛が重そうに見える。 瞬きするたびに、目元の辺りにそよ風が起きてるのでは?と思うぐらいだ。     
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