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大好きな友達との再会
いきなり押しかけてきて、今からデートなんて勘弁して欲しい。
コーヒーカップをキッチンに持っていき、洗って片付ける。
「じゃあ、その格好でいい。行くぞ」
わたしの手を引いて、マンションから連れ出す。
わたし、財布も携帯も持ってない。
「ちょっと、わたし、財布も携帯電話も持ってないんだけど」
「必要ないだろ。着いてこい」
無理矢理掴まれた手首が痛い。
夏だからサンダルで靴は辛うじて履けた。
マンションの近くのコインパーキングに場違いな黒塗りのベンツが止まっていた。
「乗れ」
右側の座席に押し込まれた。
左ハンドルの車を運転する大島蓮社長。
普段車を運転しなれてないはずなのに、安全運転で走行していた。
洋楽の歌が流れていて、インテリめと思ってしまったわたし。
「どこに連れて行く気よ」
「ドライブ。どこに行くとか考えてない」
「はっ、家に帰してよ。わたし、暇じゃない」
「こんな格好して、家でだらける満々だったろ?付き合え」
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