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「美咲ちゃん!!」
わたしの声に気づいて、美咲ちゃんが振り向いた。
レッセパッセの新作のピンクのワンピースを着た美咲ちゃん。
「凛子ちゃん、お久しぶり」
きれいに笑みを浮かべる美咲ちゃん。
2週間ぶりに会えて嬉しくて、思わず、美咲ちゃんに抱きついた。
「美咲ちゃん、政略結婚させられるのが嫌で彼氏と逃げたって本当?」
「逃げたのは本当。でも、1人でね」
「付き合ってた彼氏は?」
「付き合ってた彼の会社の御曹司とわたしが結婚させられそうになったから、もしかしたら彼がそれを知って、わたしと別れようとして行方をくらませたのかもしれないって思って、今、彼の行方を捜してるところなんだ」
抱きついてた美咲ちゃんを離し、美咲ちゃんの顔を見ると、とても哀しそうな表情を浮かべていて、わたしまで哀しくなった。
「凛子ちゃん、後ろの方は?」
凛子ちゃんが、わたしの後ろにいつの間にかいた、大島蓮社長の方を見て、言った。
「わたしと結婚しないと代表取締社長になれないからと迫ってくる大島建設の御曹司」
「えっ…、凛子ちゃん、結婚するの?」
「するわけないじゃん」
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