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「美咲ちゃんと久しぶりに会えたのに、大島社長が出てきたから気を使わせて、行っちゃったじゃん」
大島蓮社長に八つ当たりをするわたし。
美咲ちゃんは、お嬢様だからか、立ち振る舞いや言動がスマートで、わたしの憧れの女性だ。
オシャレで、そして、本物の清純な女性で、わたしは美咲ちゃんみたいになりたいと目標に思ってた。
「凛子にも、清楚な常識のある友達がいたんだな。白鳥インテリアコーポレーションの御令嬢か、中小企業だから面識無いけど、立ち振る舞いがスマートで好印象だ」
大島蓮社長の社長視点でのわたしの友へのコメントに、苛立つ。
レストランの星みたいに、評価するなと言いたい。
美咲ちゃんと別れて、大島蓮社長を放置してLINEメッセージを送る。
美咲ちゃんとまた会って、話したい。
その後、適当に博物館を周り、恥を承知で高級らしい中華店でディナーをとり、帰路についた。
美咲ちゃんは、婚約者から逃げたんだ。
わたしも、流されてないよう、大島蓮社長から逃げきらなければと思った。
東京に向かう社内の中、わたしは彼氏はいない身だけど、週末にこうやって大島蓮社長に翻弄される生活でいいのか、と思った。
来週は、大島蓮社長がうちに来るまでに、家を出て、逃げきると心に決めた。
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