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眼鏡をかけた知的な端正な顔が強張った。
男前の苛立った鬼の形相の迫力は身を震わせてしまう。
わたしがその大島社長の顔つきに怯んだのを見て、大島社長はため息をついた。
そして、表情を落ち着かせ、真剣な眼差しを向けてきた。
「必ず結婚はして頂きます。 そのために、貴方が勤めてる会社と取引をし、貴方を京都から東京に連れ出したのですから。
今日は帰ります」
大島社長はそう言うと帰って行った。
今までに大島建設に出向する社員はいなくて、なぜ京都支社のわたしが選ばれたのか理解できなかった。
まさか、仕事のためではなく、わたしに近づき結婚を申し込むためだったとは思わなかった。
大島社長が帰ってから、頂いた薔薇の花束を、花瓶が無いからバケツに入れて、引越しの片付けが捗ってない物が溢れてる部屋の隅に置く。
わたしが大企業の社長と結婚するなんてあり得ない
明日からの大島建設本社での勤務が苦痛に感じる。
大島社長は会社の代表だから、出向のインテリアプランナーのわたしに対して接触してくる機会はそうそう無いと思う。
それでも、不安でならなかった。
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