951人が本棚に入れています
本棚に追加
「……とにかく、おまえは京都へは返さない。いい加減、俺の嫁になれ」
「嫌です。わたしと結婚したら、代表取締役に正式になって、株式も60
%相続できるから、結婚したいだけでしょ?
わたしの祖母と蓮社長の祖父の口約束で、なんで、わたしは大島建設のお家騒動の犠牲になって結婚しないといけないの。
結婚するなら、わたしの内面をみて、わたしを選んでくれて、わたしを大切にしてくれる人としたい。
今日は、もう帰して下さい」
昼過ぎにやってきた蓮社長に連れ出され、恒例になりつつあるドライブからのディナーに向かう道中……。
「……俺、8ヶ月間、おまえの仕事振りをみて、こうやって毎週デートを重ねて、おまえといると楽しいなと思ってる。俺は、お前に惹かれてる。
なかなかお前に気持ちが伝わらないのがもどかしい。
レストランを予約してる。お前と一緒に食事をしたい。付き合ってくれ」
車を運転しながら、蓮社長は、わたしに対する想いを伝えてくれた。
横浜が好きな蓮社長。
ベイブリッジや横浜港を一望できるホテルのレストランで、いつものようにノンアルワインで乾杯をし、フレンチを頂く。
蓮社長から先ほど言われた言葉に照れて、蓮社長の顔を照れて見れない。
わたしも、俺様だけどわたしが困ってたら助けてくれて、そして毎週日曜日にわたしを楽しませようとエスコートしてくれる蓮社長に、少し、惹かれてたりはする……。
最初のコメントを投稿しよう!