陰謀が渦巻く

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蓮社長が大きな声をあげたから、取締役の他の執務室から、30代後半ぐらいの男性が出てきた。 「蓮、香那がやったという証拠はどこにある」 桐島取締役と思われる男性が、床に座り込む柳瀬さんに、駆け寄り、肩を支えた。 「もしものために、凛子のデスク付近に何個か隠しカメラをつけてた。それに、バッチリ映ってたよ。直人さんの執務室にも隠しカメラをつけてた。柳瀬に指示したのが、貴方だという証拠も取れてる。 祖父の代にお世話になった恩人の孫とはいえ、これ以上は、好きにさせられない。 会社のお金を着服したりと、色々悪業を働いてる証拠もあがってる。 直人さん、責任を取って貰いましょうか」 蓮社長は腕を組み、床に座り込む2人を絶対零度の眼差しで睨み続けている。 状況が飲み込めてないわたし。 ただ、蓮社長の話を整理すると、柳瀬さんがわたしに対して悪質な嫌がらせをしたのは、わたしが蓮社長と結婚をせずに大島建設から去ったら、権利が恋人の桐島取締役にいくから。 それと、実家が白鳥インテリアコーポレーションと同じ系列会社を営んでいて、白鳥インテリアコーポレーションを潰そうとしていた……。 そして、桐島取締役は、会社のお金を着服したりと、色々、悪事を働いてる……。 蓮社長に初めて会った日 社長の権利が、祖父の側近だった取締役の孫に譲る事になると、怒りを露わにした表情を浮かべてたのを思い出した。
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