951人が本棚に入れています
本棚に追加
蓮社長が大きな声をあげたから、取締役の他の執務室から、30代後半ぐらいの男性が出てきた。
「蓮、香那がやったという証拠はどこにある」
桐島取締役と思われる男性が、床に座り込む柳瀬さんに、駆け寄り、肩を支えた。
「もしものために、凛子のデスク付近に何個か隠しカメラをつけてた。それに、バッチリ映ってたよ。直人さんの執務室にも隠しカメラをつけてた。柳瀬に指示したのが、貴方だという証拠も取れてる。
祖父の代にお世話になった恩人の孫とはいえ、これ以上は、好きにさせられない。
会社のお金を着服したりと、色々悪業を働いてる証拠もあがってる。
直人さん、責任を取って貰いましょうか」
蓮社長は腕を組み、床に座り込む2人を絶対零度の眼差しで睨み続けている。
状況が飲み込めてないわたし。
ただ、蓮社長の話を整理すると、柳瀬さんがわたしに対して悪質な嫌がらせをしたのは、わたしが蓮社長と結婚をせずに大島建設から去ったら、権利が恋人の桐島取締役にいくから。
それと、実家が白鳥インテリアコーポレーションと同じ系列会社を営んでいて、白鳥インテリアコーポレーションを潰そうとしていた……。
そして、桐島取締役は、会社のお金を着服したりと、色々、悪事を働いてる……。
蓮社長に初めて会った日
社長の権利が、祖父の側近だった取締役の孫に譲る事になると、怒りを露わにした表情を浮かべてたのを思い出した。
最初のコメントを投稿しよう!