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受付の女性社員がにこりと笑みを浮かべ、
『御案内致します』
と、呼び鈴で交代の受付の社員を呼び、わたしをエレベーターまで連れて行き、一緒に25階まで行く。
25階は確か役員室と会議室しか無いはず。
嫌な予感しかない…。
部署は設計デザイン部内装デザイン課。
だから設計部のフロアーの24階のはずなのに、受付の女性社員によって、社長室に案内されたわたし。
わたし、起業してる社長でも大切なクライアント先でも無い。
社長室で社長と商談でもする要件なんてない。
場違いなところに案内され戸惑うわたし。
秘書らしい細身のスーツを着た秘書らしい男性が、社長室のドアを開け、わたしに中に入るよう手でサインを送る。
受付の女性社員は、秘書とわたしに一礼し、去って行った。
なかなか入ろうとしないわたしに痺れを切らし、出てきた。
たぶん、ディオールオムの細身のスーツを着こなしている、見た目は神々しい、大島蓮 社長。
穏やかな笑みを浮かべ、手を差し出し、わたしを社長室に誘導しようとしているけれど、ブラックな表情を見たから、魔王にしか思えないから、何をされるわからないから入りたくない。
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