952人が本棚に入れています
本棚に追加
「珍しく女。金にも俺の見てくれにも興味を示さない。こんな女、初めてみた。
うちの会社の女達、俺を仕留めるためか、キャバクラ化っていったぐらいに女を出して迫ってくるのに。
社内の女に手を出す主義じゃないからスルーしてるけどさ。気に入った。
なら、俺と本当の夫婦になろう。貴方…凛子に好かれる努力をする。
大切に愛するから、俺の誠意が伝わって、好きになったら結婚して?」
ずっと丁寧な品の良い言葉遣いをしていた大島蓮社長が、地を出したのか、乱暴な言葉遣いになった。
「お断りします。わたしは、恋愛シミュレーションゲームではないです。
結婚する相手にもわたしの事を本心から愛して貰いたいから、大島社長みたいに、地位とお金のためにわたしと結婚しようとする人がとは結婚したくないです。
わたし、仕事をしにきたのですが、いつまで社長室にいさせるおつもりですか?」
「そうだな。俺も、視察に向かわないといけない」
大島蓮社長が役員用デスクの上にある電話の受話器を取り、社長第1秘書の進藤さんを呼んだ。
進藤さんに案内されて、やっと、これからお世話になる建築デザイン部内装デザイン課へ行き、仕事を割り当てられた。
とあるホテルを白鳥インテリアコーポレーションに内装を全て一任するとの事で、大きな仕事に着手できる事は嬉しかった。
最初のコメントを投稿しよう!