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プロローグ
あいつとの出会いは究極に最悪だった。
入社3年目でやっと職場に慣れたのに、7月に異動で京都から東京に転勤になったわたし。
転勤先のオフィスビルからJRで3駅先にある1LDKの一人暮らし向けの賃貸マンションで京都から届いた段ボールを開けて、マンション備え付けのウォーキングクローゼットにレッセパッセで購入したお気に入りのワンピースやスカートをかけていく。
備え付けのエアコンはついていても、バタバタと家の中を片付けていたら汗をかいてベタついて気持ち悪い。
黒白のボーダーTシャツにデニムのショートパンツ姿で汗だくなわたし。
『ピーンポーン』とチャイムが鳴った。
家電やベッドはもう届いているから、来客は考えられない。
警戒しつつ、マンションのドアを開けた。
「初めまして。真宮凛子(まみやりんこ)さんですか?」
「はい、そうですけど…」
ドアの前には20代後半ぐらいの高級そうなスーツを着た、知的な顔立ちをしたイケメンが立っていた。
「私は、明日から貴方が配属される勤務先の代表取締役社長をしてます 大島蓮(たかせれん)と申します」
「はあ、…その社長がわたしを尋ねて来られたのはどういう理由でしょうか?」
インテリアデザインの会社でインテリアプランナーとして勤めてるわたし。
明日から、出向という形でスーパーゼネコンの大島建設で高級ホテルやレストランの内装に携わる業務に携わる事になった。
出向先の大企業の社長がわざわざわたしに挨拶だけで来るとは思えない。
出向取り消しを伝えにくるとしても、社長が来るのはおかしい。
なにか良からぬ事があるはずと、恐々と大島社長を見上げた。
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