思春期の90%は勘違いによって構成されています

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『てっぺん公園』はうちから徒歩15分くらいのところにある、丘の上のこぢんまりとした公園だ。ここに来たのはざっと10年ぶりだろうか。手前にある登り坂がきつくて半泣きになったのを覚えている。暗くなってから来たのは初めてだ。 前来た時もそうだったが、夜は一層ひと気がない。あの急坂を登るモノ好きはそう多くないのだろう。 柵にもたれて、町の景色を一望する。 学校のグラウンドは照明に照らされ、練習に励む野球部が豆粒のようなサイズ感でうごめいている。さらに奥を見遣ると、我がマンションが見えた。ベランダでタバコをふかしているのは、多分うちの母さんだろう。 トオルは、5分遅れでやってきた。 「よぉ、待たせたな」 「おう。景色いいな、ここ。」 「そうか?」 「なんか、高いところから町を見下ろすって、面白いな。」 「ま、バカと煙は高いところに登りたがるって言うもんな。」 「誰がバカだ。」 俺がそうツッコむと、トオルは満足げに頷いた。 「やっぱ、俺の目に狂いはなかったみてぇだな。」 「あ?どういうこと?」 トオルがニヤリと笑みを浮かべる。 「お前、俺とコンビ組まねぇか?お笑いの。」
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