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透に手を引かれて入ったのは、こじんまりとしてはいるけど、オシャレなカフェで、店内は外観と違って広くて、何と個室まであるという凄いカフェだった。
そこの店長と透が高校時代の友達とかで、僕達はすんなりと個室に通してもらえた。
普通は予約がないとダメみたいだけど。
個室は座敷になっていて、座椅子と座卓があるだけのシンプルな感じだけど、僕はこういう部屋の方が好きだから、少しだけ緊張が解れる。
「えっと…あの時の行為なんだけど…実はセックスしてたんじゃないんだけど…」
「え!?いやいや、どう見ても…。しかも全裸で、あんな表情…」
「本当にしてないよ。だから向こうが納得して引き下がるように、その…"素股"を…」
「スマタって…あの素股?」
「うん…」
二人して視線を座卓に落とし、少しだけ沈黙の時間が流れる。
でも、本当にそうなんだから、どう言い繕っても仕方ない。
僕は透以外とはしたいとは思えない身体になってしまっているんだから…。
「まだ納得してませんよ!」
透がバッと顔を上げるから、僕もつられて顔を上げると、透の真っ直ぐな視線とぶつかる。
「あのキスマークは何ですか!?」
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