あの時の真相《万琴視点》

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僕は今回の件で思い知った。 僕も透もお互いがお互いを好きなのは分かっている。 でも、その"好き"は永遠には続かない。 きっと僕以上に透が傷付く。 "好き"とか"愛してる"と言葉にするのは簡単だけど、それはどうやって証明するの? 目に見えないことを目に見えるようにするのは、 そんなに容易くない。 僕は普通の幸せなんていらない。 普通じゃない人生は何となく僕に合っていて、僕も何だかんだで楽しんでいる。 だけど……透は普通の幸せがある。 僕とのことは熱に浮かれた一時のことにできる。 まだ、普通の人生に戻れる。 まだやり直しがきく年齢だし、彼ならきっと大切な人を幸せにできる。 だって、僕は今こんなに幸せなんだから。 ずっと好きでいるから…。 もうお別れしよう…透。
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