30人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
万琴さんに唐突に別れを告げられた。
俺が怒って、ルームシェアを解消するとか言ったからなんじゃ…。
そのことを何度も謝ったけど、万琴さんは困ったように笑って、違うと首を振る。
結局、実家に戻るどころじゃなくなって、二人で東京にとんぼ返りした。
当日で入れるマンションもなかなかないけど、荷物を纏めて、空きのあるウィークリーマンションをネットで探した。
なかったら、かなり嫌だけど会社に寝泊まりしなきゃいけないんだけど…。
それだけは絶対に避けなきゃ。
有給中に何とかウィークリーマンションが見つかって、スムーズに入居できそうで、つらいけど、万琴さんに報告とお世話になったお礼を告げに、万琴さんの部屋に赴く。
「何とか入居が決まったので、しばらくはそこに住みながら、マンスリーマンションを探します。本当に今までありがとうございました」
「僕は何もしてないよ。でも本当に楽しかったよ、僕の方こそありがとうね」
色んな気持ちが溢れて、言葉よりも先に、万琴さんを強く抱き締めた。
俺を抱き締め返す万琴さんの腕を感じて、静かに目を閉じて、口を開く。
「俺はいつもいつまでも万琴さんを想っています」
最初のコメントを投稿しよう!