エピローグ:わたし

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エピローグ:わたし

「おかーさーん、これなぁに? おさかな?」 「人魚っていうのよ」 「すごいきれいだねー」 「そうね。特別展示なだけあるわね」 「なになに、合同展示だって。特別ランク同士だってさ」 「まるで昔の絵本みたい。この二人は一緒にいられて、とても幸せそう」 「あーこれこれ! この二人の前でお願いすると、恋愛成就(じょうじゅ)するんだってー!」 「えー、本当?」 「だって先輩が言ってたもん! ちゃんとお願いして帰らなきゃ!」  地下三階、合同展示室。  一つの水槽の中で、微笑みながらたゆたう人魚と、笑顔の少年が飾られている。  互いに○と○を作り、『(無限)』の形で指を触れ合わせている。  二人は見つめ合い、同じ水槽の中で同じ時間を過ごす。  あの日誓った永遠(とわ)の指切りと共に、二度と離れないよう、願いを込めて。
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