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「貴方の余命はもう……1年……いや、半年もありません」
いつもはにこやかな主治医の笑顔が今日はとても辛そうに歪んでいた。
それに対して僕は極めてにこやかに答えた。はたから見たらきっと異常だろうけど。
「薄々、勘づいてはいましたから。そろそろかなって。先生にもここまで生き長らえさせてくれて本当、感謝してるんです」
僕は何年も前から遺伝性の病気が出ていた。父の兄も祖父もそれで若くして亡くなった。だから……薄々はわかっていた。
何となく霞む視界にくぐもって聞こえる耳。ご飯も実はそんなに欲しくない。
死ぬのはだから怖くなかった。
生き長らえる方が苦しいだろうから。
だから今は何よりも少し、嬉しいかもしれない。
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