5:聖なる夜に、永遠の約束 5

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 ミアが固まっていると、ふっとシルファが悪戯っぽく笑った。 「白の書(パール)の規範は自然と共に生きる、だろ。男女の営みはとても自然な行為だと思うけど」 「屁理屈!?」 「そうでもない。今夜は同じようなカップルが山のようにいるだろうな」  シルファが嘘を言っているとも思えない。ミアは返す言葉を失ってしまう。見上げるシルファの赤い瞳が、吸い込まれそうなほど綺麗だった。  彼の長い指が、ミアの唇をなぞるように触れる。  思いつめた声が、もう一度欲望を打ち明けた。 「抱きたい」 「……うん」  ゆっくりと、シルファの柔らかな銀髪が落ちかかってくる。唇を重ねると、すぐに甘さに翻弄された。  ミアはしがみつくようにシルファの背中に腕を伸ばす。素直に受け入れると、心地の良い体温と鼓動が重なった。彼の動きに合わせて寝台が軋んでいる。体に伝わる掌の熱が熱い。与えられる想いに、ひたすら溺れる。 「ミア……」 「ん」  シルファの想いが、からだ中に刻まれていく。胸がいっぱいになって、視界が淡く滲んだ。  聖なる夜。   胸の内で、ささやかな幸せをたしかめる日。
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