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3:素直な謝罪
マスティア王国、国家犯罪対策庁の外部機関、呪術対策局。シルファが局長を務める呪術対策局の事務所を担う館が、現在のミアの住処だった。
シルファはマスティア王国において、魔術と魔力を専門にした研究者であり、権威でもある。そもそもミアが彼と出会ったのも、彼の術式によって召喚されたせいなのだ。
ミアーー高遠美亜。召喚された当時、彼女は高校に通う平凡な女の子だった。あれからどのくらい経ってしまっただろうか。こちらで過ごす月日が長くなるほど、元の世界への思慕が遠ざかっていく。
シルファに召喚されても、すぐには取り乱さなかった。けれど、自分が元の世界に帰れないことを自覚した時は、混乱して泣き叫んだ。
――わたしを元の世界に返して! お父さんもお母さんも心配するし、可愛い弟だっているんだから!
こんな世界は知らないと恐慌に至ったミアを、シルファは黙って見つめていた。彼が何の目的で自分を召喚したのかは知らなかったが、泣き崩れるミアに、彼は約束をしてくれた。
――わかった。おまえは必ず元の世界に返してやる。だが、こちらにも事情がある。元の世界に戻るためにも、少し力を貸して欲しい。
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