100の問い

…

「これ、書いてくれたら、今までの事全部やめます。梶谷先生のこと、諦めます。だから、お願いです。全部埋めてください。」

そう言って渡されたA4サイズのプリント。
両面印刷されていて、一面に10コの問題が書かれている。それを5枚。つまり問題は100コあるって事だな。

「…本当に、これを全部書いたら止めてくださるんですか？…椎名先生。」

真っ赤に染まってた顔を今度は青く染め、自分が言った言葉を噛みしめるように、一度目を瞑りそして勢いよく見開いた目。

「はいっ！！！！」
…椎名先生の意思は固いようだ。

「…わかりました。書いておきます。提出は今日中でいいですか？」
僕は受け取ったプリントを左手に持ち、椎名先生に背を向けて歩き出した。

「はいっ、はいっ！！今日中にお願いしますっ！！」
椎名先生の決意の表れのように大きな声を背中で聞き、持ってるプリントごと左手でヒラヒラと返事を返した。