episode 1. 愛しい人と、満たされた朝を

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結局、5分延長してまったりとベッドの上での時間を過ごした私達。 だけどずっとこうしてもいられない。 二人ともこれから出勤だし、それに…… 今日は、とても大事な日――だから。 私はキッチンで卵をかき混ぜながら、ちらりと横目に小野寺さんを見た。 シャワーを浴びてきた小野寺さんは、上半身裸のままタオルで髪をガシガシと拭いている。 大あくびをしながらテレビの天気予報に耳を傾ける小野寺さんに、私は気になっていたことを恐る恐る尋ねてみた。 「ねぇ…………もしかして昨日の夜、パジャマ着せてくれました?」 「ん? あぁ」 「わぁ、うそ……ごめん」 私は昨夜の情事(こと)を思い出して思わず顔を俯かせた。 やだ……私、そのまま寝ちゃってたなんて……。 待って、てことは下着(ショーツ)もなのでは……!? うわ、恥ずかしすぎる……! 小野寺さんは、赤面する私を見てプッと吹き出して笑い出す。 「まぁいいじゃん。意識飛ばすほどよかったってことで」 「ちょっ……!」 「あー腹減った。卵焼き?」 爆弾発言を落としておきながら、小野寺さんは悪びれもせずフライパンの中身を覗き込んだ。 洗い晒しの髪から、私と同じシャンプーの香りがふわりと鼻腔を擽る。 「もうすぐ出来るから、先に着替えてきていいですよ。ていうか何か着てきて……」 「いーよ、暑いから」 「私が良くないっ」 「ブッ、クク……! 付き合いたての高校生かよ」 ケラケラと笑う小野寺さん。 私はその横顔にジトッとした視線を送ってやった。 確かに付き合いたてでも高校生でもないですけどね! 自分で言いたくはないけど、もういい歳だし! それでも……やっぱり小野寺さんの身体を間近で見ると、未だにドキッとしてしまう。
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