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結局、5分延長してまったりとベッドの上での時間を過ごした私達。
だけどずっとこうしてもいられない。
二人ともこれから出勤だし、それに……
今日は、とても大事な日――だから。
私はキッチンで卵をかき混ぜながら、ちらりと横目に小野寺さんを見た。
シャワーを浴びてきた小野寺さんは、上半身裸のままタオルで髪をガシガシと拭いている。
大あくびをしながらテレビの天気予報に耳を傾ける小野寺さんに、私は気になっていたことを恐る恐る尋ねてみた。
「ねぇ…………もしかして昨日の夜、パジャマ着せてくれました?」
「ん? あぁ」
「わぁ、うそ……ごめん」
私は昨夜の情事を思い出して思わず顔を俯かせた。
やだ……私、そのまま寝ちゃってたなんて……。
待って、てことは下着もなのでは……!?
うわ、恥ずかしすぎる……!
小野寺さんは、赤面する私を見てプッと吹き出して笑い出す。
「まぁいいじゃん。意識飛ばすほどよかったってことで」
「ちょっ……!」
「あー腹減った。卵焼き?」
爆弾発言を落としておきながら、小野寺さんは悪びれもせずフライパンの中身を覗き込んだ。
洗い晒しの髪から、私と同じシャンプーの香りがふわりと鼻腔を擽る。
「もうすぐ出来るから、先に着替えてきていいですよ。ていうか何か着てきて……」
「いーよ、暑いから」
「私が良くないっ」
「ブッ、クク……! 付き合いたての高校生かよ」
ケラケラと笑う小野寺さん。
私はその横顔にジトッとした視線を送ってやった。
確かに付き合いたてでも高校生でもないですけどね!
自分で言いたくはないけど、もういい歳だし!
それでも……やっぱり小野寺さんの身体を間近で見ると、未だにドキッとしてしまう。
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